夏、そしてゴキブリ3

今回はゴキブリの体について。

 

ところで、ゴキブリへの恐怖の根底には、無意識に自分に触れることを想像をしてしまうことにあります。

 

もし頬に触れたら、もし腕にくっついてきたら、もし足から上ってきたら、髪に絡まってきたら、ゴキブリが肌に触れる。

そんな事を想像するだけで身の毛もよだつ思いがします。

 

宇宙服のようなものをきて、ガラスケースの外からゴキブリを見ていたとしても、安心はできません。ゴキブリを触ったら…そういった想像をしてしまう事そのものが気持ち悪くなるのです。

 

そんな事を想像しながら、そのゴキブリの体について本題に入りたいと思います。

 

まずは、あのフォルム。極限まで低く薄くデザインされたレーシングカーのようなスタイルでどんな隙間にさえも滑り込んでいきます。

節が多い柔軟な体に加えて、体表面の薄い油が潤滑油のような役割をこなし、狭い場所にもスムーズに入れます。

幼虫なら1ミリから2ミリ、成虫なら5ミリあれば侵入してくるのです。

 

敵に見つかった時の逃げ足はまさに俊足、削りあげた流線型の黒い弾丸のように走ります。

さらに、その軌道はまったく予測できません。

動き出した瞬間から、最高速度で走りるほど瞬発力があり

かと思えば、慣性を無視するようにピタッと張り付いて止まるストッピングパワー。

自在に上下左右へとクネクネ方向転換する姿は言葉には表現しがたい不快感があります。

 

ゴキブリが壁や天井にいるのを発見したとき、見てるだけで気持ち悪くなってくるのに、この時ばかりは目を離すわけにはいきません

この素早い動きと、扁平なボディで隙間に逃げられたら眠れない夜を過ごすことになります…